


| 開催日時 | 2025年8月17日(日)17:00〜19:00 | 
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| 場所 | コミュニティスペース | 
| ゲスト | 栗林隆、天野太郎 | 
| 内容 | 長崎出身で現在インドネシアと日本を往復しながら国内外で活動する現代アーティスト栗林隆さん。5年ごとにドイツで開催される現代アートの国際美術展「ドクメンタ15」(2022)で発表した作品を福岡のアートイベントFaN Week 2023で展示したことを機に福岡に制作拠点を構える。そんな栗林隆さんのこれまでを振り返りながら、これから起きる福岡・九州での展開も踏まえて、長年の関わりを持つキュレーターの天野太郎さんが紐解いていく交流会です。参加者からの質問も受けながら天野さん得意の餃子を食べながら交流を楽しみましょう。 | 
今回のACFアカデミーでは、アーティストの栗林隆さんとキュレーターの天野太郎さんを迎え、体験談を交えた対談を開催しました。当日は、天野さん手作りの餃子が振る舞われ、餃子の香りに包まれたリラックスした雰囲気の中でトークが進行。思わず笑いがこぼれる場面も多く、終始温かな空気に満ちていました。
トークの冒頭で栗林さんは、国内外に複数の拠点を持つ活動の中で、制作環境の変遷や人との出会いから生まれたプロジェクトの裏話を披露してくれました。また、ドクメンタ15に参加した際の困難や、地元に拠点を構えることの意義についてもご紹介いただきました。一方、天野さんは、国内外の展覧会を通じた豊富な経験をもとに、若手アーティストが海外とつながるための「きっかけ」や、地域との関係性を築く視点として「人との出会いを大切にし、外に開かれることがネットワーク形成の第一歩」と語っていただきました。
トーク後半では、栗林さんが現在ACF内で取り組む壁画作品の一片を紹介。これまでインスタレーションを中心に制作してきた栗林さんにとって、今回の平面への挑戦は特別な意味を持ちます。現在、描かれているのは、カッセルや福島、ネパールなど、これまで訪れた土地の「空」。今後完成していく作品は、見る人にとって時空を越えた"記憶の地層"を感じさせる作品となりそうです。

■栗林隆(くりばやしたかし)
1968年長崎県出身。東西統合後間もない1993年よりドイツに滞在。その頃から「境界」をテーマに、ドローイング、インスタレーション、映像など多様なメディアを用いた作品を発表。2022年にドイツのカッセルで開催された『ドクメンタ15』(Cinema Caravan and Takashi Kuribayashi として参加) では、作品『out of the mosquito net (蚊帳の外)』を拠点に会期中にさまざまなイベントをおこなった。その際に発表した『元気炉四号基』が評価され、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
<https://www.takashikuribayashi.com>
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■天野太郎(あまのたろう)
1955年大阪生まれ。東京オペラシティギャラリー チーフ・キュレーター。
北海道立近代美術館勤務を経て、1987年の開設準備室より27年あまりの長きにわたり横浜美術館に勤務し、森村泰昌展や奈良美智展など数々の展覧会を手掛ける。また、「横浜トリエンナーレ」のキュレーター(2005)、キュレトリアル・ヘッド(2011,2014)、札幌国際芸術祭2020統括ディレクター(2018-2021)を務めるほか、多摩美術大学、城西国際大学、国士舘大学などで後進の指導にあたるなど、豊富な経験と実績で知られる。